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対岸の火事ではないASKAの逮捕~薬物依存の恐怖~

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みなさん、こんばんは。
またまたブログをさぼっているうちに11月も終わり。

11月は土日がすべて勉強会や講演会で詰まってしまい、
ほぼ無休の状態でした ( ̄□ ̄;)!!
かといってクリニックがすごく忙しいというわけでもなく、
12月なんかも結構ヒマ・・・。
逆に妙に疲れる感じです。
そのうち潰れるんじゃないかと思いつつも
能天気なのであまり悩まずに済んでいますが: *:・( ̄∀ ̄)・:*:
あはは、能天気でよかった・・・ (^ _ ^;)

昨日帰ろうとしてパソコンを片づけかけていると目の中に
飛び込んで来たショッキングなニュース!
なんとASKAが覚醒剤でまた逮捕!!

なんだろう、はぁ~って落胆とともに、やっぱりなぁって気持ちも・・・。
あんなゆる~い感じの治療じゃダメだろうな、とは思っていたものの、
どこかで、きちんと再出発してほしいという気持ちがあったのですね。
ファンとしては複雑で、あんな名曲も裏で覚醒剤を吸ってたのか、と。

たいていの人はASKAの覚醒剤のニュースも
対岸の火事だと思っているんでしょうが、
実はデパス(薬剤名:エチゾラム)などの精神安定剤や
ハルシオン(薬剤名:トリアゾラム)やロヒプノール(薬剤名:フルニトラゼパム)
などの睡眠薬もいわゆるGateway Drugと言われ、危険なのです。

よくあるのは眠前にデパス0.5mgを1錠くらい大丈夫と思っている場合。
それがないと眠れなくなったりしていつの間にか依存しています。

ベンゾジアゼピン系の薬剤は大麻よりも依存度も有害度も高いのです。

医師が処方するから絶対に安全とかではありません。
慎重に投与してくれる医師ならいいでしょうが、
知識もロクにないのに、軽い薬だから大丈夫!と
いとも簡単に処方する医師が多すぎると思います。

中には危険性を知っているのに、
バンバン出してくれる精神科医も実際にいるのです。
そういう医師は一部の患者さんには評判がいいです。
だって欲しい薬を欲しいだけ出してくれるんですから。
だけどドラッグストアじゃないんですからね。

だけど法的に違法ではないので誰も取り締まれない。

患者さんは依存するので、薬欲しさに通院します。

治療ではなくてもはや薬物依存者ですよね。

でもたくさんの医師の中からそういう医師を選んだのは自分なので
「治してください!」と来られても私も困りますよね。
「覚醒剤をやめるくらいの覚悟で来てください」としか言えません。

一度依存すると報酬系が働いて薬物を辞めることは困難になります。

では報酬系とはなんでしょう?

人間は「快感」「幸福感」を求めることが行動の重要な動機になります。
これは他の動物でも同じです。

たとえば美味しいものを食べて幸せを感じると、またそれを食べたくなります。
ギャンブルで大勝した時や、買い物をした時、人から褒められた時、
好きな人とデートの約束をした時などさまざまな快感があるわけですが、
こうした快感が生じる仕組みを脳内報酬系と呼び、
脳内報酬系に主要な役割を果たす神経伝達物質がドパミンです。

ドパミンは人間の脳機能を活発化させ、意欲を高めます。
ですから適度にドパミンを賦活させることは大事なことです。
モチベーションになるからです。

たとえば、きちんとした治療をすることで、患者さんから感謝されたとして、
患者さんが笑顔で帰って行くのを見ると嬉しくなり、
その笑顔を見たいために、またきちんとした治療をしようと思い、
きちんとした治療をするために勉強する。
というのはいい方向で脳内の報酬系が関与しているわけです。

しかしこの報酬系は、正常な(あるいは適切な)快感だけではなく、
麻薬や覚醒剤のような薬物による快感もや、ギャンブルでの快感なども
報酬系として脳に刷り込まれてしまうので、依存の形成にも関わってきます。

報酬回路が働き続けると、依存症や中毒という状態になってしまうわけです。

さらに困ったことに、依存性のある薬物を連用すると、だんだん耐性が出来て
同じ量を摂取しても以前と同じ快感が得られなくなります。
つまり以前と同じ程度の快感を得るためには、
その薬物の一度の使用量を増やさなくてはなりません。

デパス0.5mgで気持ち良く眠れていたのに、
だんだん効かなくなってきて1mgに増やしたというのはよく聞く話ですね。

さらに、その薬物の体内の血中濃度が低下すると報酬系が低下し、
不安やイライラ感といった「不快感」が生じます。
これがいわゆる禁断症状(離脱症状や断薬症状)です。

一度報酬系が出来てしまったら、身体依存か精神依存にかかわらず、
(もっとも精神依存が出来た段階で立派な依存症ですが)
自分の意志では薬物をやめることができない状態になり、
やめようとすると身体的にも精神的な離断症状が出てくるわけです。

だから、もうやめたいけど薬をやめられないということになるわけです。

つまり、そもそも安易に依存性の高いベンゾジアゼピン系のお薬を
処方しなければ、依存という問題も生じないわけですね。

誤解しないで欲しいのは、
ベンゾジアゼピン系の薬剤を全否定しているわけではなくて、
ごくたまに、適度に使用するならいい薬なのですが、
漫然と使用することによって依存症を生み出すことを懸念しているのです。

開業後、私は自分からベンゾジアゼピン系の薬剤を処方したことはありません。
別にそれで困ったという記憶もありません。
もちろん開業前にからほぼ出していません。

デパスをやめたくてやめられない人を作り出す医師が後を絶たないので
精神科医は治療したいのか、薬物依存症患者を作りたいのか、
いったいどっちなんだ!と思う今日この頃です。

デパスをバンバン処方されて飲んでいる人にとって
ASKAの事件は対岸の火事ではないのです。

では今日はASKAの名曲「けれど空は青」を贈ります♪
いっぱい名曲があるのに残念だね・・・。
いつか時間がかかっても立ち直ってほしいものです。

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