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無駄に傷つくことについての一考

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みなさん、こんばんは。
やっと1週間が終わりましたね。

実はつい先日、私としてはちょっと困惑する方が初診で来られました。

まきメンタルクリニックは完全予約制。ほとんど待ち時間はありません。
でもそれはしっかりした医療を提供したいからこその完全予約制で、
待たなくていいからというためだけの完全予約制ではありません。

その人は「この薬が欲しい」と言って来ました。
それは私の大嫌いなベンゾジアゼピン系の薬。
もちろん全面否定するつもりはなく、
本当に頓服的にたま~に内服するならいいですが、
どうしてもすぐに依存や耐性ができやすいのが問題なのです。

こちらが症状を細かく尋ねようとしても、ほとんどこちらの言葉に耳を貸さず、
薬についての説明をしようとしても「わかってます!」と拒否的な態度。

予約金についても「いやらしいですね」と受付に散々嫌味を言ったそうで、
その時点で受付が私に報告していれば、
おかしいな?と思うこともできたのですが、
受付はひたすら我慢して嫌味を聞き流していたと、後になって聞きました。

こうしたわけのわからない嫌味に対する我慢は、私は不必要だと思っています。
そんなに不満なら他のメンタルクリニックに行けばいいと思うからです。

どうやらこの人は、単に特定の薬が欲しい、
でも待ちたくないというだけの理由で当院に受診したようです。

うちはきちんとしたクリニックであり、ドラッグストアじゃありません。
「この薬をくれ」!と言われて「はい、どうぞ」と売るのとはわけが違います。

こういう人は当院には全然合わないと思うので、
文句を言ってまで受診しなくてもいいのに。
この人が受診しなければ、他に本当に当院に来たいという方を診れたのに・・・。

「とにかく薬さえもらえればいいんだから、時間なんかかけなくていい」という態度に、
思わず心の中でムッとしながらそう思いました。

そうは言っても、もう受診している相手に「帰れ」とも言えないので、
出来る限り症状を聞き出し、薬についても十分に説明をして、
あくまでも頓服として内服するように伝え、必要最低限の回数のみ処方しましたが、
正直、とても嫌な気持ちになり、なぜか心を踏みにじられたような気分になりました。

なぜこんなに私はそんな気分になったのでしょうか?
私なりに考えてみました。

まずこの方が医療というものを理解していないために、
最初の1歩から大きなズレが生じたことが挙げられます。

「クリニック=自分の欲しい薬を言えば、それをさっさと出してくれる所」という認識が
「きちんとした医療を提供したい」という私の方針と決定的に違っているのです。

さらにこの人は、「薬は欲しいが待ちたくない!でも予約金を取られるのは腹が立つ」
という非常に自己本位な考え方が根底にあるから、その態度に私がムッとしたということ。

私の貫いている「完全予約制」を、思いがけない方向から、
変な形で利用(悪用)されたように感じたことで、
私は傷つき、嫌な気分になったのです。

でも、考えてみれば、こういう人のために、私が非常に嫌な気分になったり、
心を傷つけられる必要性はないわけですよね。

このようにあからさまに「薬だけ出してくれればいい」的な態度の方は初めてですが、
「診断書」目当ての人もいます。
診断書をもらったら、次の回は無断でキャンセルとか・・・。

無断キャンセルして、こちらからの連絡にもコールバックもしないような方は、
もう当院にとっては診療妨害でしかないのですが、どういう神経なのか、
しれっと、数か月か1年以上経って、「また診てください」という人がいます。
メンタルの治療の前に、常識を身に着けた方がいいと思うのですが・・・。

メンタルクリニックでは医師との相性も非常に大切になって来ると思います。
基本的に医師と患者は対等ですが、
立場的には治療を提供する側とされる側にわかれます。

私に対して「この医師とは合わない」と思う人は、
他のクリニックに行く権利があります。
しかし完全予約制の予約をすっぽかす権利はありません。

常に言っているように「権利の主張」だけして、常識的な義務を果たさないなら、
治療関係そのものが成り立たないと思います。

有難いことに当院の患者さんの95%は非常に常識的で、
他者にも配慮できる方たちです。
なのであとのこういう5%の、
ちょっと私が困惑するような患者さんが悪目立ちするわけです。

でも考えてみれば95%も、
非常に礼節を保った常識的な患者さんに恵まれているわけで、
そう考えると、私は非常にラッキーな精神科医だと言えるでしょう。

時々こうして心の整理をしないと、無駄に傷ついて、それを繰り返すことになり、
やがて診療へのモチベーションの低下にもつながりかねません。
自分の心を安定させておくことは、精神科医にもっとも大事なことなのです。

そして今日、あらためて、私がいかに患者さんに恵まれているのかを感じました。

では今日は久々にキリンジのDrifterを贈ります♪

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