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モラルハラスメントとDV

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みなさん、こんばんは。
今日は暖かいですが、週末にまた寒くなるようですね。
そろそろ三寒四温も最後になってほしいのですが…
桜の季節はまた花冷えというのがあります。

当院には時々モラルハラスメントの被害者が来ます。

モラルハラスメント(モラハラ)とは精神的な暴力・嫌がらせのことを指しています。

最近はなんでもかんでもハラスメントと言いすぎる傾向がありますが、
それを差し引いても、この人はモラルハラスメントの被害者だと思われる人が受診します。
こういう人たちは最初から「モラハラだ!」と訴えてくるわけではありません。

たとえば「パワハラを受けた!」と訴えてくる人は、自分の言い分が会社で通らなかったら
即「パワハラだ!」とか「診断書をくれ」とか言って来ます。
しかし私がそういう人たちの言い分を聞く限り、そんなにパワハラでもない感じです。
むしろ、駄々っ子のように「パワハラ!パワハラ!」と大主張するその人の方が、
法律だのメンタルクリニックだののあらゆる手段を使って、
何が何でも自分の言い分を押し通そうとしている困ったちゃんのような印象です。
もちろん、私が隣で見ていたわけでもないので診断書はお断りしています。

本当にモラハラの被害者たちは実はそれに気づいていないまま、
不安が強くなったり、気分が落ち込んだりしてメンタルクリニックに受診します。
やはり被害者の大多数は女性ですが、中には男性の場合もあります。
そして、多くの場合が肉体的にも暴力を受けています。
いわゆるドメスティックバイオレンス(DV)です。

モラハラ男のたとえをわかりやすくするとすれば・・・

毎日、コーヒーに砂糖を小さじ1杯とミルクを少々入れる夫がいたとします。
ある日妻が夫の好み通りにコーヒーを淹れて持って行くと、夫が
「今日はブラックが飲みたかったのに、なんで一言聞かないんだ!」
とすごい剣幕で怒ります。
びっくりした妻は、自分が悪かったのだと思い「ごめんなさい」と謝り、
淹れなおします。
ところが次の日、妻が昨日のこともあるので、
夫に「お砂糖とミルクはどうする?」と尋ねると、
「おまえは俺の好みも知らないのか!いつも砂糖1杯とミルクだろ!
気が利かない奴だな!」と、これまた妻がまったく気が利かないからだと
いわんばかりにイライラしながら怒鳴ります。
混乱した妻は、またまた「ごめんなさい」と謝ってコーヒーを持って行きます。

「そのくらいのことならうまくやれよ」と言う人もいますが、
こういうことが日常生活全般に渡って起こるとなると、問題は深刻です。
妻としては、いつ何が夫の気に障るかわからず、
どう対処したらいいのかわからなくなります。

そしてだんだんコーヒーを淹れてあげて喜ぶ夫の顔をみる幸せなどはどこかに吹き飛び、
毎日コーヒーを淹れる度に「夫を怒らせないようにしよう」と間違った方向に走り、
最後には「夫が起こるのは私が気が利かないせいなのだ」と思うようになり、
「気が利かない!」「お前が悪いから言ってやってるんだ!」
「バカ!」などと人格否定するようなことを言われ続け、
どんどん自己評価が下がり、人間としての尊厳がだんだん失われていくのです。
これが「精神的な死」と呼ばれます。

モラハラをする人の特徴は、いろいろ言われていますが以下のようにまとめられます。

①最初は優しい人であることが多い。そしてある日突然豹変し、姿を現す。
②自分の気分によって言うことがコロコロ変わるが、それを相手に責任転嫁する。
③自分を正当化したり、哀れな自分をアピールする。
④強い相手にはへこへこし、弱い相手に対して強く出る。
⑤口が達者である。そのためついつい丸め込まれてしまい、自分が悪いからだと思う。
⑥他人への共感性がないのに、「お前を受け入れてやる心の広い俺」として振舞う。
⑦利用できるものは徹底して利用する。
⑧恩ぎせがましい。被害を被るとものすごく大袈裟に言う。しつこい。
⑨「言いたいことがあればはっきり言え」と言う割に相手の言葉に耳を貸さない。
⑩「出て行け!」とか言う割に、相手が自分から去ることは許さない。

モラハラの被害者は「なんでそんな人と結婚したの?」と言われることが多いのですが、
結婚前はその姿を現さず、とても優しかったりします。
また不幸な生い立ちなどを話して「私がなんとかしてあげなくちゃ」と思わせたりします。
だから結婚してからわかることが多いのです。

自分はいつ不機嫌になるかわからないくせに、妻が不機嫌だとさらに不機嫌になります。
そのため、妻は夫の顔色を窺うようになり、びくびくしながら生活します。
自分の機嫌が悪いのは常に誰かのせいであり、自分は決して悪くないのです。
妻を無視して無言で生活したり、これみよがしに大きくため息をついたり、
モノに当たったりします。
でも時々猫なで声で優しいことを言ったり、反省したふりをするのです。

まずはモラルハラスメントの被害者である自覚をさせなければなりません。
当院を受診するモラハラの被害者は、
自分がモラハラにあっているということすら自覚してないで、
うつっぽくなってやって来ます。

私は「モラハラ男からは逃げるしかない」としつこく言います。
それでも被害者の女性は「でも私のことを思って言ってくれているから・・・」とか
別れることに抵抗を示します。
中にはようやく離婚できて、本人は東京に部屋まで借りたのに、
「でも月のうちの半分くらいはまだこっち(大阪)に戻って来るので
その時受診します」などと言うため、私は驚いて
「なんのためにわざわざこっちに戻って来るの?」と聞きました。

「いきなり見捨てたら、鬼嫁みたいな気がして・・・」と罪悪感を口にしたので、
「何を言っているの?これ以上関わっちゃダメなんだから、こっちに戻ったらダメよ」
と強く言いました。彼女の一瞬考えて「本当にそうですよね!」と東京に行きました。
「東京に行ったら先生みたいに親身に話を聴いてくれる先生がいるかどうかわからない」
と不安を口にしていましたが、とにかく逃げることが最優先なのです。

一度逃げると決めたら用意周到に徹底して逃げなければ、また同じことを繰り返し、
さらに相手はより強く縛りつけようとしてくるに決まっています。

モラハラの加害者は決して肉体的な暴力は振るわないと書かれていることもありますが、
そんなことはありません。手を上げる場合もあります。
被害者は圧倒的に女性ですが、男性の場合もあります。

言葉の暴力がどれほど心を追い詰めるのかは、体験しないとわからないので、
「あんな優しそうな旦那さんなのに」などと、誰になんと言われようと逃げるべきです。

どの場合でも私は自分ができる限りの応援をしていますが、
それは本人がモラハラから脱出しようという強い意志を持ったときのみです。

また今週末は寒さがぶり返しそうですね。
みなさん、着るものには気を付けてくださいね。
では今日はなつかしい、いるかの「なごり雪」を贈ります♪

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