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ストレスチェックと社員の権利・義務

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みなさん、こんばんは。

さてさてもう12月。
今日は12月とは思えない温かさでしたね!

ところで、昨今の精神障害を原因とする労災認定件数の増加等をうけ、
最近の社会情勢の変化や労働災害の動向に即した形で対応し、
12月から労働衛生安全法が改正され、
社員50人以上の企業は年に少なくとも1回は
社員のストレスチェックを実施するよう義務付けられました。

このストレスチェックは57項目に上り、
個人情報保護のため、医師や保健師などの専門家にチェックを依頼。
結果は、医師などの実施者が従業員に直接通知する仕組みで、
本人の同意がなければ、結果を企業に伝えることは禁止されている。

また本人の希望があれば、従業員は医師などの面接希望を
申し出ることができ、面接指導を申し出た従業員に対し、
事業者は「不利益となる扱い」をしてはいけないこととなっています。

実はこの57項目の作成にあたり、大きな物議を醸し出しました。
それは、作成委員会の中に精神科医が1人もいなかったということです。
当然専門家である精神科医がいないことは問題とされ、
作成委員の中にようやく精神科医も入れられて作成されました。

結局、厚生労働省というところは、現場の実情を何も知らないのですね。

産業医がいる会社でも、実質機能していないのに、
名義だけ貸している産業医が結構な割合でいます。
そういう産業医は当然メンタルの勉強もおろそかどころか
ほとんど知識もないままなので、
今後精神疾患の労災などではきちんと診ていない産業医も
訴えられる可能性が大きいという怖さを知りません。

またこのストレスチェックは実施が義務づけられているのに、
実施しなくても特に罰則がないという、抜け穴だらけのものでもあります。

一方でこの10年間で、精神疾患(うつ病や不安障害など)で休職をする人が
急激に増加したため、また、休職した人がいても人員の補充がなされないため、
休職した人の仕事を分担する側の従業員の負担が増加しています。

また精神神経学会が先日発表したコメントは以下の通りです。

日本精神神経学会は、2015年12月1日の職場における
ストレスチェック制度のスタートに併せ、
厚生労働省に対し制度実施に関する懸念すべき点が
解決されていないとの見解を出したと発表した。

多くの企業で制度の周知が不十分であったり、
産業医に精神科を専門とした医師が少なかったりすることなどを指摘し、
早急に実施すべき対策を提示している。 

見解では、産業医には精神科の専門医が少ないことから、
制度の実施に必要な精神医学的知識や技能を
十分に習得させる必要があると指摘。

高ストレスと評価された労働者が
医師の面接を受けやすい環境の整備などについても、
より詳細な説明が求められるとしている。

マタニティハラスメントなどでJALで訴えを起こしている女性がいますが、
私はもう大人なのだから、自分の妊娠後の生活も考えて行動すべきだとも思います。

彼女は基本的に「権利をはき違えている」と思ってしまうのです。
会社側からすれば、善意で「ポストがあればそこに異動可能ですよ」という
対応をしているのであって、「絶対にポストを作ります」ではありません。

過剰に自分への配慮を要求する一部の妊婦がいることで、
「妊婦様」などと呼ばれ、他の妊婦が肩身の狭い思いをします。
素直に「妊娠おめでとう」と言える環境を作れるかどうかは、
その人のそれまでの人間関係の構築次第だと思います。

先日も「パワハラで精神的なダメージを受けた!」と主張して、
初診なのに「診断書をくれないと困る」と言い張った患者さんがいましたが、
さすがに初診でパワハラかどうかもわかりかねるので、
診断書については次回の受診時に相談しましょうとお帰り頂いた方が、
2回目の受診をドタキャン。

当院は完全予約制なのに大迷惑です。
きっとどこかのメンタルクリニックで診断書をゲットしたのでしょう。

こういう人は意外と元気だと思います。
あちこち診断書目的で受診できるのですから。
本当にうつなら、そんなことをする「力」すら残っていませんよね。

本当にうつ病でしんどければ休めばいいのですが、
病気だと思えない人までが「診断書」を出して休んでしまう傾向もあります。
その人の分の仕事を負担する側からすれば、不公平感は免れないですね。

以前、もう出勤してもいいですよ、十分休んでますよって感じの女性が、
さらに診断書の延長を依頼して来たことがあります。

理由はなんと「新婚旅行に行くので、ついでにそれまで休みたい」です。
すごい図々しさにびっくりですよね。

「え?新婚旅行って海外ですよね? 海外旅行に行けるのに仕事は休むの?」
と尋ねたところ、嫌そうな顔をされ、その次には予測通りドタキャン。

まぁ、安易に診断書を書く精神科医がいるからダメなんですよね。
でも患者さんもかなり非常識な人が増えて来ましたね。
そんなことを堂々と言える人の神経を疑ってしまうと同時に、
そんな人だから、他の人からあれこれ言われて生きにくいのだろうと思います。

では今日はクリスマスソングの定番 WHAM! の LAST CHRISTMAS を贈ります♪

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