エビリファイの講演会してきました～in小倉～

2016/09/27 あとで読む

みなさん、こんばんは。

やっと明日から遅い夏休みを取る西崎です。

ところで精神保健指定医の話を先日書きましたが、
「過去記事は暇だったら探してください」と書いていたら、
なんとたくさんの方が過去の記事を検索してくださったようで、
管理画面を見たら過去記事が検索されていました。
というわけでリンクを貼っておきますね。

精神科における隔離・身体拘束～薬物による拘束の怖さ～

うちのクリニックは、８月は暇だったのですが、
９月になるとやたらと予約が増えて、
９月初旬ですでに９月の予約枠がいっぱいになってしまい、
診察後も毎日遅くまで書類仕事。
昼休みは企業のストレスチェックの面接指導など
何かと予定がびっしりでほとんど休めず、
土日も往診などで９月に入って仕事がない日がありません(｡＞0＜｡)
いい加減に一日くらい休みたいよ～！！

で、２１日は小倉でエビリファイの講演会をして来ました。
この会では大分や山口からも聴きに来てくださったようです。
お陰様で講演会の後の情報交換会でも
何人もの先生方からご質問やご意見をいただき、有難かったです。

今回はエビリファイ水懸筋注用薬剤についても十分話せたと思います。
注射なんてなんだか悪い状態の人に鎮静をかけるためのもの、
というあまり良くないイメージを、正直私も持っていましたが、
患者さん自身は「薬局にいかなくていい」など、メリットも多いです。

つくづく治療って色々な選択肢があり、より良い選択肢の提案が必要で、
また医師と患者さんでは、治療法についての見解の相違もあるのだと思います。
だからこそよりベターな選択肢を提案できるよう、
医師自身が常に勉強をしなくてはならないのです。

今回印象的だったのは、質疑応答の時にも挙手してくださった先生で
「僕はベンゾジアゼピン系の安定剤を極力使わないようにしているのに、
苦労して苦労して減らしても、次から次へとベンゾジアゼピン系の
薬物依存の人が来て。やっと減らしてもまた内科で処方されたり・・・。
なんとかやめてもらいたいんですけど・・・」
と大変苦労しておられるご様子でした。

最初から出さなければ依存も生じないわけで、
他人の処方の尻拭いって大変なんですよね。

こちらがベンゾジアゼピン系の薬物の怖さをいくら説明しても、
しれっと内科でもらって来て内服するような患者さんは、
治る気がないと判断してもいいと思います。

「やめてもらいたい」と医師がお願いする必要などありません。
薬物依存をなんとかすべきは患者さん自身であって、
それに対して自分が処方もしていないのに、こちらはすごい苦労をして
サポートするわけですから、本人がやる気がないのに頑張る必要なんて
全くないと思います。冷たいようですがこれが私の方針です。

先日もデパスをやめたいと通院しているのに、内科に行って処方してもらい、
「内科の先生は『デパスなんか１日４錠飲んでも大丈夫や！』って
出してくれたので、飲みました」とか言ってきた人がいますが、
「はぁ？あなたデパスやめたいって通院してるんじゃないの？
内科で言われたって自分で断ればいいのに、たくさん処方してもらって
飲んだんならもとの木阿弥だよね、やる気ないなら来なくていいよ」
「なに？じゃあその内科医に診てもらえばいいじゃん」というのが私の意見。

別にその人の人生なのだから、困るのは患者さんであって私じゃありません。
自分でそういう行動をとるなら、私の診察時間の無駄なのです。

また、当院を以前無断キャンセルした人が
「どこに行っても安定剤ばかり出されて・・・」と泣きながら再受診を希望
なんてこともありました。

その人はすでにブラックリストに入ってましたが、今回だけは目をつぶることに。
だけどそういう人はまたぞろドタキャンとかするので、その時は知りませんよと
受付嬢に念を押しておいてもらいました。

治療者にどこまでもおんぶに抱っこというのは間違っています。
治療とは契約であり、双方が努力すべきなのです。
自分の努力は一切せずにこちら側にばかり要求して来る人は、
正しい治療関係を築けない人なんだと思います。
そういう人はそういう医師に診てもらえばいいだけのことなのです。

ともかくもその夜はせっかく来たのでラーメンを夜中に食べ、
翌日は椒房庵の明太子と福砂屋のカステラを大量に買って帰りました
あ～、幸せ♪（←太ったといいつつも食い意地ははってる!）

では今日はもう９月も終わりに近づき、この季節になると聴きたくなる
森山直太郎の「夏の終わり」を贈ります♪
これって反戦歌って知ってる人が意外に少ないんですよね・・・。